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「シン・ゴジラ」は「サウナ映画」です ※ネタバレあり

はじめに

シン・ゴジラを見てきました。
見たあとにネタバレ批評を色々と見てまわったんですが、ぼくがシン・ゴジラに感じたことについて言及している記事が見当たらなかったので、一発書こうと思います。

一言でいうと、シン・ゴジラはサウナ映画です。
おっ、サウナ好きのドワーフがまた頭のおかしいこと言ってるぞ、と思われるかもしれませんが、最後まで読んでいただければご納得いただけると思います。

ゴジラはどこへ向かったのか

まず、ゴジラの行動から注目していきましょう。
なぜゴジラは海から出てきたのでしょうか。それは、放射性物質から生まれたエネルギー溢れる生命体には、東京湾という水風呂はぬるすぎたからです。
ゴジラは海から出てきてどこに向かいましたか?そうです、「北」です。より冷たい水風呂を求めて、ゴジラは北に向かっていたのです。それが近場の日本海だったのか、はたまた最果ての北極を目指していたのか、それは明らかにならないままとなってしまいましたが…。
とにかくその行動からゴジラは元々、冷たい水風呂を求める一介のサウナーに過ぎなかったことが分かります。

ゴジラの変身の意味とは

次に、ゴジラの身体的特徴に目を向けてみましょう。
ゴジラは劇中で何度かの変身を遂げます。(変身の合間合間に、水風呂や外気浴をはさんでいた点も見逃せないポイントです)
登場時のゴジラはなんとなくウーパールーパーを思わせるかわいらしい容姿でしたが、最終形態はゴツゴツした岩のような表皮と熱く燃える石炭のような胴体を持った姿に様変わりします。

この最終形態をみて、「あっサウナだ。サウナストーンだ。」と思わない方はいらっしゃらないですよね。 初期形態ではただのサウナーだったゴジラが、自らに「サウナ」を目覚めさせてしまいます。 サウナーである自分とサウナそのものである自分、ある意味で自己矛盾を抱えた二つの要素をもつ生命体となります。 そしてこの二つの要素が、今のサウナ界おける二つの問題点につながっていきます。ゴジラの変身には、そういったサウナ界の問題点を体現するという意味があったのです。

ゴジラはなぜ冷却されたのか

サウナで冷却といえば水風呂です。しかしそれだけではありません。石に水をかける行為、といえばピンとくる方も多いでしょう。そう、ロウリュです。この「水風呂」と「ロウリュ」が、今のサウナ界が抱える大きな二つの問題点なのです。そして、それぞれの問題点とは一体何なのでしょうか。

水風呂はサウナーにとって、ほてった体をクールに冷ましてくれる言わば天国へ続く階段のような存在です。
そんな中で知っていただきたいのが、今のサウナ界は水風呂の温度は低ければ低いほどよいという”低温礼讃傾向”にあることです。一般的に水風呂は17~20℃くらいであることが多い中、近頃はさらに低い14~15℃では飽きたらず、俗に”シングル”と呼ばれる10℃アンダーの水風呂が登場しています。
このように、現在のサウナ界には水風呂低温競争が勃発しているのです。私にはこれが、あまりに高度になりすぎたことで一般プレーヤーを置き去りにしてしまい、そして廃れていった、格闘ゲーム界と重なって見えるのです。 つまり冷却され沈黙したゴジラには、「水風呂は冷たすぎると死ぬよ」というとてもシンプルなメッセージが込められていたのです。

そしてロウリュです。サウナストーンにアロマ水をじゅわりとかけて、発した蒸気で体感温度を上げ、発汗を促進させるというサウナの本場フィンランド発祥のサウナ・セレモニーです。今のサウナブームを牽引している立役者であることは間違いないでしょう。
各種施設が様々な工夫をこらしていますが、中には電飾に凝り、ハッピをまとい、大きなかけ声とともに大きなうちわであおぎまくるというお祭り騒ぎなロウリュもあると聞きます。それはロウリュと言ってよいものでしょうか。
お祭りロウリュはまるで、口から火炎を吐き、背中から光線を発して見境なく周りを攻撃するゴジラのようではありませんか? ひとはサウナに非日常的なお祭りを求めてはいません。日常の喧騒から少しだけ離れた、穏やかな時間を求めていることを決して忘れないでいただきたい。ゴジラのことはおいといて、ぼくはこのことを強く主張します。そんなことを忘れてしまった熱波師にはとりあえず落ち着けと言いたい。ボルヴィックを胸にドンしたい。

少し話かずれてしまいましたがつまり、サウナーとサウナ両者への警鐘を、「ゴジラの冷却」によって表現しているということです。

おわりに

シン・ゴジラ」という映画のなかに、これだけのサウナ・メッセージが込められていたことにぼくは驚きを隠せませんでした。
そして実は、サウナ・メッセージはここに書いてあるだけではないのです。
まだ見てないひとも既に見たひとも、新たなサウナ・メッセージを見つけに、劇場に足を運んでみてはいかがでしょうか。そしてその後さらに、サウナまで足を延ばしてみませんか?